実際にランニングで塩分はどの程度抜けたのか【夏編】

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夏前から運動でかいた汗の塩分濃度と量を記録しています。このデータを使うと汗で排出する塩分量がわかるのです。
もし運動により一定の塩分を抜くことができるのであれば、高血圧対策の減塩は食事療法だけでなく、発汗による運動療法も併用できることになるでしょう。

では夏の期間のデータをまとめてみましょう。

塩分量の算出方法と注意点

ランニングの距離は当初8km、今は10km程度です。この距離を50分から1時間というペースでこなし、加えて軽い筋トレもしています。
このランニング終了直後に噴き出す汗を塩分計で測定し「塩分濃度」とし運動前後の体重の変化を「汗の量」としています。

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この塩分濃度と汗の量を掛けあわせることで発汗で排出した塩分量が分かります。

塩分量=塩分濃度×汗の量

なお、運動と発汗量の関係には大きな個人差があります。「炎天下での運動は1時間で1リットルもの汗をかくので熱中症に注意しましょう」と言われていますので、標準的な方はこれが目安になるのかもしれません。
しかし、私の場合はその倍ほど汗をかく多汗症です。真夏であれば1時間走ると体重が2kg減るというちょっと普通ではない体質なのです。

そして発汗スピード(時間単位の発汗量)が速いと汗の塩分濃度も高くなるという体の仕組みもあります。つまり、発汗量だけでなく汗の塩分濃度も普通の人より高い可能性があるのです。

参考記事:塩分計を使い、運動による塩分排出量を算出する方法を考えよう

このように私は標準的体質とは言いがたいため、この記事のデータは平均的な人のものとして扱わないほうがよいでしょう。

ランニングでかいた汗の塩分は?

まずは測定したデータと排出した塩分量の一覧です。

日付 距離(km) 発汗量(l) 塩分濃度(%) 塩分量(g)
7月19日 8 2 0.42 8.40
7月20日 8 2.4 0.45 10.80
7月21日 8 2.5 0.22 5.50
7月22日 8 1.6 0.33 5.28
7月23日 8 1.5 0.35 5.25
7月24日
7月25日 8 2.1 0.43 9.03
7月26日 8 1.8 0.44 7.92
7月27日 8 1.9 0.24 4.56
7月28日
7月29日
7月30日
7月31日 8 1.7 0.38 6.46
8月1日 8 1.3 0.23 2.99
8月2日 8 2 0.39 7.80
8月3日 8 1.8 0.21 3.78
8月4日 8 1.5 0.17 2.55
8月5日 8 1.8 0.24 4.32
8月6日
8月7日
8月8日 8 1.6 0.25 4.00
8月9日 10 2.6 0.34 8.84
8月10日 8 1.9 0.27 5.13
8月11日 8 1.9 0.31 5.89
8月12日 8 2.1 0.32 6.72
8月13日 8 2 0.37 7.40
8月14日 8 2 0.31 6.20
8月15日 8 1.9 0.3 5.70
8月16日 8 2 0.34 6.80
8月17日
8月18日
8月19日 8 1.9 0.29 5.51
8月20日 8 1.7 0.32 5.44
8月21日 8 1.7 0.31 5.27
8月22日 8 2.2 0.3 6.60
8月23日 8 1.7 0.28 4.76
8月24日
8月25日 8 1.2 0.25 3.00
8月26日 8 1.1 0.24 2.64
8月27日 8 1.8 0.33 5.94
8月28日 8 1.3 0.31 4.03
8月29日 8 1.4 0.34 4.76
8月30日
8月31日
9月1日
9月2日 8 2 0.44 8.80
9月3日
9月4日 8 1.5 0.39 5.85
9月5日 8 1.7 0.37 6.29
9月6日 8 1.7 0.37 6.29
9月7日
9月8日
9月9日 8 1.4 0.37 5.18
9月10日
9月11日 8 1.4 0.31 4.34
9月12日 8 1.4 0.39 5.46
9月13日 10 2 0.34 6.80
9月14日
9月15日 10 1.5 0.35 5.25
9月16日 10 1.6 0.36 5.76
9月17日
9月18日 9 1.4 0.32 4.48
9月19日 10 1.9 0.36 6.84
9月20日 11 1.9 0.29 5.51
9月21日 9 1.6 0.29 4.64
9月22日 11 1.8 0.25 4.50
平均 8.38 1.76 0.32 5.73

発汗による塩分排出量は最大で10.8g、最小は2.55g、平均は5.73gでした。
高血圧患者の塩分制限が1日6gですので、平均5.73gとほぼ同じ量を排出しているということがわかりました。

ただし、高血圧患者といえどもナトリウムは必須ミネラルであることに変わりはありませんので、体内の塩分を減らせば減らすほど健康になるわけではありません。ナトリウム不足になると体調不良や慢性疲労などが発生します。
塩分は尿からも排出されますので、上記のような汗をかく運動を続けるのであれば、1日6gという塩分制限のままでは危険となるでしょう。つまりもう少し運動を減らすか、塩分摂取量を増やしたほうがよいということです。

塩分濃度の変化

では次に見やすくグラフでまとめてみましょう。
まずは塩分濃度の変化です。

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塩分濃度は0.3%を中心にして推移しています。大きく波打っていますがメモと照らしあわせてみると直接の原因は天候ですね。気温が低い日や風の強い日は汗が出にくく、汗の発汗スピードが少ないから塩分濃度も低くなるということです。塩分をたくさん排出できるかどうかは天候が鍵を握っていると言えます。

私の条件の場合、汗の塩分濃度の平均は0.32%という結果になりました。
一般的な運動時の汗の塩分濃度にはいろいろな説があり、0.1~0.8%程度とWebサイトや書籍でバラバラです。おそらく発汗体質と運動負荷、天候が大きく影響するため、平均的な目安が定まらないのだと思います。

塩分排出量の変化

次に発汗で排出できた塩分量を見てみましょう。

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排出した塩分量とは塩分濃度と発汗量を掛けあわせたものです。発汗量が多いときに塩分濃度も高まるという相乗効果があるために振れ幅が大きくなっています。ほぼ同じ距離を走っているのですが最小で2.55g、最大で10.8gと4.2倍もの大きな違いがでています。

つまり塩分の排出が目的なら、一気に大量に汗をかく激しい運動や高温高湿の過酷な環境が必要になるということです。

発汗量が多いと塩分濃度は高くなるか

最後に塩分濃度と発汗量の関係を見てみましょう。
一般的には発汗時のミネラル再吸収の能力に限界があるため、発汗スピードが早いときに塩分濃度が高くなると言われています。実際にその傾向はあったのでしょうか?

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綺麗な一直線ではありませんが、概ね「発汗量が多いときは塩分濃度も高い傾向がある」と言えそうです。
なお、ナトリウムと同様にカリウム・マグネシウム・カルシウムなどの他のミネラルも通常以上に排出されていますので、しっかり補充しておく必要があります。

汗は増えるが尿が減る

この発汗を意識した運動をしている最中に大きく変わったことといえば、尿の量が極端に少なくなったことです。運動をしていないときは主に尿から塩分を排出していましたが、その役割が発汗に変わってしまったのです。運動後は減った体重分の水分をその日のうちに摂取していますが、それでも尿は少ししかでません。

塩分制限で1日6gの制限をしていた人は尿で6gの塩分を排出していたということになります。さらに運動で5.73gの塩分を排出できたからといって、6+5.73で11.73g塩分を摂取してよいというわけではないのです。

運動をすることで塩分摂取量にどれだけの余裕ができるのかは、残念ながら今回の検証だけでは判断できません。

また注意しなくてはいけないこともあります。
尿が減ることで尿素や尿酸が体に溜まりやすくなることが容易に考えられます。私自身もともと痛風になりやすい体質なのですが、指の関節が曲がりにくくなる痛風の初期症状がたびたび出ていました。
このことから毎日休みなく発汗を促す運動を続けるのではなく、週に数日休んで尿を増やす日を設定しておいたほうが良いでしょう。奇しくもこの夏後半は雨が多く、調度よい具合に休みが取れたことが良かったのでしょうか、徐々に痛風の症状が消えていきました。

水分の摂り過ぎは高血圧の原因になるともいいます。しかし腎臓由来の高血圧でなければ、尿量を増やすために積極的に水分を取ることも必要でしょう。

運動の有無や食事の違いは汗による塩分排出量に影響しない

「運動を数日休むと塩分が貯まるため排出する塩分量が増える」、そして「汗をかく運動を続けると体内の塩分が減るために排出する塩分量が徐々に減っていく」というパターンを予想していましたが、その傾向はありませんでした。体には血液中の塩分濃度を極力一定に保とうとする仕組みがあるため、汗の原液が血液である以上、その程度の変化では大きな変動は起きないのでしょう。

また、1日の塩分摂取が数g程度変化しても次の日の塩分排出量が連動して変化することはありませんでした。日常的な食事の塩分量変化程度では発汗による塩分排出量には影響がでないようです。

ただし極端に塩分を摂取すると変化するかもしれないとは考えています。例えば飲み会+締めのラーメンなどで合計20gのように極端に塩分を摂取したとき、次の日の塩分排出量は増えるのかもしれません。いずれ確認しないといけませんね。

まとめ

夏の期間、多汗症という条件で

  • 1時間ランニングと筋トレで平均5.73gという大量の塩分を排出できる
  • 汗の塩分濃度は平均0.32%となった
  • 塩分排出量は天候によって大きく変化する
  • 発汗スピードが速いときに塩分濃度も高くなる傾向が確認できた
  • 尿が極端に減り尿素や尿酸の排出が滞るため、運動を休み尿を増やす日を設定すること
  • 発汗で失うのはナトリウムだけではなく、他のミネラルも大量に排出しているため意識して補充しないといけない
  • 運動を休んだ次の日に多めに塩分が排出されるということはない

と、こうなりました。

結論は、高血圧対策として「発汗による塩分排出」は有効です。ただし、夏の期間はやり過ぎによるナトリウム不足にも注意しないといけません。さらに尿量の減少やナトリム以外のミネラル不足に陥るというあらたな問題にも注意しつつ、食事や運動量の調整が必要になるでしょう。

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コメント

  1. 石黒 勝彦 より:

    おもしろい、実験をイロイロとしておられますね。勤め先に後遺症など自分の状態を説明するのに、アチコチ見ていたところ貴ブログを見つけ読ませてもらっています。こんな挨拶で勘づかれることと思いますが、私は7月末に脳出血を発症しました。社会復帰のタメの治療・リハビリ生活が、その楽さかげんに当分こういう生活もいいなかと思い始めた数日前、退院の許可が出ました。後遺症が全くなナイわけではなく、無事に社会復帰できるのかに不安は残りますが、貴兄のブログなぞ拝見すると、それはそれで興味ある生活が送れるのかと期待を持つことができました(ヤッパリどっかオカシイ?)。貴兄のブログの全てを読んだ訳ではありませんが、その結果が単なる参考例でなく統計量に近づけるよう、実験のいくつかをマネでみたいと思います。/54歳・男

    • ameo より:

      コメントありがとうございます。
      管理人のameoです。

      ご退院おめでとうございます。
      同じ脳出血仲間ですね。

      私もまだ漢字がなかなか思い出せないという失語症の後遺症が残っており、直筆で書かなければいけない書類を目の前にするとオロオロしてしまいます。それでもなんとか社会人として生活できています。
      いつも思うのですが、起きてしまったことを悔やんでも仕方ありません。リハビリも生活改善、そして体の不思議までも前向きに楽しんでしまったほうが断然オトクです。常に前向きに考えて前向きにリハビリを続ければ、必ず脳はそれに応えてくれると私は信じています。

      人生は楽しいことがまだまだたくさんあるはずです。
      お互い頑張りましょう。

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