脳出血の経過は順調です。
しかし脳出血を含む「脳卒中」は再発率が高いと言われていることが不安にさせます。
ある研究では脳卒中発症後の10年で約半数の患者が再発したという恐ろしいものまであるのです。
脳出血だけでなく脳梗塞などを含めた「脳卒中」を発症する時、どのような前兆があるのかをキチンとまとめて最悪の事態に備えましょう。
まず私が脳出血を起こしたときはどうだったのか
私の起こした脳出血の場合、前兆は全くありませんでした。
いつものように生活をしていて突然に発症したのです。
その時の記録
2014/12/27 その日は突然やってきた(前編)
ただし以前から慢性的に頭痛を抱えており、デスクには鎮痛剤の大箱が常に用意されていました。
このため直前の不具合を強いて挙げれば頭痛ですが、これが脳出血の前兆かといえばおそらく違うでしょう。
①脳梗塞の前兆
まず脳梗塞の場合は「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼ばれる前兆が起きていることが多く、これに気づくことができればその後の発症を防ぐ手がかりになります。
一過性脳虚血発作とは血栓が脳の血管に詰まり脳が酸欠で機能を止めているところまでは脳梗塞と全く同じです。
詰まった血栓が何かの拍子で取れて脳細胞が再び動き出したため、一時的な症状で収まるのです。
「治った」と思いがちですが血栓が流れてきて詰まりやすい状況は何も改善していませんので、いずれ脳梗塞が発症するというわけです。
この一過性脳虚血発作は数分から数十分で回復しますので「気のせい」「疲れているから」と蔑ろにしがちですが、これが起きた後は2日以内に脳梗塞を発症する確率が高くなります。
また3ヶ月以内に15~20%の方が脳梗塞を発症すると言われています。
一過性脳虚血発作の症状は?
相手は脳ですので血栓が詰まった場所によりいろいろな症状がでます。
このため必ずしもこの症状が起きるというものはありませんので「あれ?おかしいな」と思ったらすぐに対処してください。
- ろれつがまわらない
- 相手が話していることを理解できない
- 言葉が出ない
- 計算が出来ない
- 片半身がしびれる/感覚が鈍くなる
- 顔半分がしびれる/引きつる
- めまいがする
- 力が入らない
- 片目が見えにくい/片側が見えにくい
- 物が二重に見える
- 激しい肩こりが起こる
- 激しい頭痛が起こる
これらは脳梗塞の症状とほぼ同じです。
②脳出血の前兆
私の発症時がそうだったように、脳出血の場合はほとんど前兆がありません。
しかし稀に一過性脳虚血発作と同じ症状がでることがあります。
③くも膜下出血の前兆
くも膜下出血の場合も脳出血と同じように前兆が少ないと言われています。
くも膜下出血特有の前兆としては発症の数日前から血圧が乱高下を繰り返すことがあり、また発症直前に激しい頭痛があることが多いと報告されています。
その他にも一過性脳虚血発作と同じような症状が出る場合もあります。
前兆がでたらどうしたらいい?
すぐに病院で診察を受けてください。
ただし脳神経外科や脳卒中科など脳卒中に詳しい医師に診察を受けることが大変重要です。
もし脳卒中が専門外の医師であれば疲れやストレスで片付けられてしまうでしょう。
遺伝や高血圧などで脳卒中が心配なら、万が一のために脳卒中を専門にしている病院を事前に調べておきましょう。
一過性脳虚血発作かは問診だけでは判断できず、ヨード造影剤を使ったCTスキャンかMRIを使う必要があります。
このためある程度設備の整った大きな病院を選びましょう。
もし一過性脳虚血発作と診断されるとそのまま入院をすることになるでしょう。
入院の用意と覚悟をしてから診察を受けましょう。
電話では伝えられないことも
自分で判断できない時は7119の救急相談センターに相談してください。
もし緊急と判断されればそのまま119に取り次いでくれます。
ただしすでに失語症の症状が強く出ている場合は、相手が問いかけたことを理解できなくなり、自分の症状を言葉にしてうまく説明をすることもできないでしょう。
日本語の会話なのに「理解できない」「説明ができない」とはどういうことかわかりにくいと思いますが、言葉が話せない海外で病気になったというイメージがわかりやすいと思います。
私の場合も少し失語症が出ていたため、状況を伝えるのに非常に苦労しました。
もう少し強く失語症が出ていたら救急車を呼べなかったかもしれません。
これがこの疾患の怖いところです。
そして一過性脳虚血発作でない脳卒中だった場合はしばらくすると高い確率で意識を失います。
家族がいない時はとにかく救急車を呼んで玄関の施錠を外しておきましょう。
まとめ
脳出血やくも膜下出血の場合は前兆があることが少なく、脳梗塞でも必ず前兆があるわけではないということがわかりました。
ただしもし前兆に気づき適切な対処をすれば、一生の重荷になる半身麻痺や失語症などを回避できる可能性があります。
後遺症が残ってしまうと今までどおりの仕事ができなくなり家族に介護という負担を強いることになるのです。
脳出血経験者の私としては、少し臆病でも構わないから気になる症状がでたら直ぐに病院へ行くことを強くおすすめします。
もちろん私もそうするつもりです。
コメント
私の場合の前兆として
▲ろれつがまわらない
相手が話していることを理解できない
▲言葉が出ない
▲計算が出来ない
▲片半身がしびれる/感覚が鈍くなる
▲顔半分がしびれる/引きつる
○めまいがする
○力が入らない
●片目が見えにくい/片側が見えにくい
●物が二重に見える
●激しい肩こりが起こる 右肩
●激しい頭痛が起こる 左のあたま
で、右の腎臓に尿管結石
管理人のameoと申します。
貴重な経験談ありがとうございます!
私達であれば前兆だと理解できますが、
いままで脳卒中と無縁だった方々がこれらの症状で
自分の身に迫る危険を察知できるかと言えば難しいですよね。
厚生労働省あたりが音頭を取って
「変わった症状が出たときはまずここで調べる」というような
横断的なシステムを作ってくれると嬉しいのですが。
私は脳出血となりました。
41歳の時でした。
右側全身麻痺と言語障害でした。
今は44歳です。
色々調べた結果、脳梗塞と脳出血
と、くも膜下出血に分類されていて
今回のサンバイオ株式会社が運営しているSB623の所へ問い合わせてみると、
やはり脳梗塞との事でした。
脳出血は脳梗塞よりまだ数が少なく
やはりホームページでご確認くださいと言う事でした。
でも、同じような病気ですので
もっと会社にアピールが必要でわないか?と思いました。
誰か代わりに調べて貰えませんか?
お願い致します。
管理人のameoと申します。
コメントありがとうございます!
私もSB623の治験はなぜ脳出血が対象外なのか疑問です。
脳梗塞と脳出血は発症の仕組みこそ違いますが慢性期の脳の状態に大差はないと思います。
慢性期脳梗塞に効果があるのであれば慢性期脳出血でも効果を期待できるはずです。
しかしサンバイオWebサイトの開発パイプラインには「脳出血」についての記述はありません。
http://www.sanbio.jp/corporate/business.html
> サンバイオが手掛ける再生医療は、脳梗塞のほか、外傷性脳損傷、加齢黄斑変性、網膜色素変性、パーキンソン病、脊髄損傷及びアルツハイマー病等、既存の医療・医薬品では対処できない中枢神経系領域の疾患を対象としています
サンバイオは脳出血への展開をどのように考えているのでしょうか。
残念ですが、現時点で調べてわかる情報では「不明」としか言いようがありませんでした。
アピール不足に関しては同感です。
ただ個人単位の行動では限界があります。
患者会には参加していませんでしょうか。
脳卒中の患者会などの大きな団体としての行動の方が効果があると思います。
脳出血 患者会には入っておりませんでした。
まだ色々と方法はあると思いますので、色々探してみます。
また、何かあればお声掛け致します。本当にありがとうございます。
2019年1月18日に脳出血は追加されましたね。
お久しぶりでございます。
脳出血に効果がないのであればSB623の理論自体が崩れてしまいますから。
どんな経緯があったのかは分かりませんがまずは一安心ですね。
次はクモ膜下出血の追加でしょうか。