脳卒中のリハビリ中の方におすすめです NHKスペシャル「脅威の小宇宙 人体Ⅱ 脳と心」

体を動かし心が宿る「脳」
よくよく考えてみると脳はとても不思議な器官です。
脳とはいったい何なのでしょうか。

脳卒中を経験してしまうと、その疑問は切実な悩みになります。

なぜ体がうごかなくなるのか?
どうして考えることが困難になるのか?
後遺症はどうすれば治るのか?

こうした疑問や悩みにわかりやすく答えてくれるのが、今回ご紹介するDVD【NHKスペシャル「脅威の小宇宙 人体Ⅱ 脳と心」】です。「脳とは何か、そして心とは何か」というテーマのドキュメンタリーです。

このドキュメンタリーでは脳障害の症例として多くの脳卒中患者が紹介されています。中には驚異的な回復をした方の話も。脳卒中患者本人そして患者をサポートする人にとっては学ぶべき情報が盛りだくさんです。

是非ご覧になってみてください。
必ずや脳卒中患者の皆様の力になるはずです。

全6章構成

養老孟司と樹木希林がナビゲートする「脳と心」。
まずは表題から見ていきましょう。

  1. 心が生まれた惑星~進化~
  2. 脳が世界をつくる~知覚~
  3. 人生をつむぐ臓器~記憶~
  4. 人はなぜ愛するか~感情~
  5. 秘められた復元力~発達と再生~
  6. 果てしなき脳宇宙~無意識と創造性~

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内容概略

各章の内容を簡単に説明しておきます。

1.心が生まれた惑星~進化~

地球に生命が生まれてからの脳の進化、そして心がどのように生まれてきたか。感情を生む古い脳と知性を生む新しい脳。私達の心は、本能と理性とも言えるその2つの脳の間で生まれているのです。

2.脳が世界をつくる~知覚~

脳の一部が欠損した場合、世界はどのように見えるのか。そもそも私たちは同じ世界を見て、そして感じていたのか。
病気で脳の半分の機能を失った方のお話を中心に、人の知覚とは何かを探っていきます。

3.人生をつむぐ臓器~記憶~

覚える、そして思い出すとき、脳の中では一体何が起きているのでしょうか?

記憶するという機能を失ってしまった人はどのような生活を強いられるのか。この章では、ある日突然新しいことを記憶することができなくなってしまった患者の苦悩を主軸に、「記憶」の仕組みを紐解いていきます。

そして、記憶の中枢である海馬に情報を伝える経路が断たれた人でも、覚えることができるもう一つの方法「技の記憶」とは。

4.人はなぜ愛するか~感情~

人の行動を促す「感情」。そして、人と人を強く結びつけ子孫を残すための「愛情」。

人間の感情はどこから生まれるのでしょうか?
どうしてその人だけに夢中になるのでしょうか?
なぜ他の人ではいけないのでしょうか?

好き嫌いは扁桃体で判断され、好きならドーパミンが放出され脳は快感を感じます。人を突き動かす感情や愛情の有無は脳が快感を感じるかどうかで決まるのです。そしてそれは扁桃体に刻まれた好き嫌いの記憶で判断されていたのです。
人間誰しも「突然恋に落ちる」ということがありますが、実はその異性のタイプはそれ以前に決まっています。幼児期に受けた愛情や経験が扁桃体に記憶として刻まれているからです。

5.秘められた復元力~発達と再生~

脳の神経細胞は一度死んでしまうと基本的に再生することはできません。しかし多くの脳の機能は特定の神経細胞に依存しているわけではなく、神経細胞のネットワークで機能しています。つまり、一部の神経細胞が死んだとしても、別の場所に同じ構成の神経ネットワークを構築することができれば、失われた機能も再生できるのです。それを試みているのがリハビリだったのです。

脳梗塞で左脳を失った妻を全力で介護する夫。そんな夫婦の日常を取り上げながら脳の機能復元について解説していきます。

なぜリハビリをすると回復するのか、なぜリハビリが必要なのかが分かります。
そして脳の機能回復に最も大切なのがやる気。リハビリは時間を費やして回数を繰り返せばよいというものではなく、本人の「やる気」が最も重要だったのです。それはどうしてでしょうか?

リハビリで悩んでいる方には必ず見ていただきたい章です。

6.果てしなき脳宇宙~無意識と創造性~

人の意識の裏に潜む「無意識」。
心や体が限界を超えると幻覚や幻聴という形で不思議な世界を体験することがあります。それが自分が持つ無意識の一片です。神のお告げを授かるシャーマンや修験道を極めて悟りを得る山伏、そして優れた創造性を持つ人は普段は触れることのできない無意識の世界と接触する術を持っています。

誰もが脳に持っているが自分で知ることの出来ない「無意識」。
そこには一体何があるのでしょうか。

視聴する方法は?

視聴は基本的に購入かレンタルですが、DVDのラインナップが豊富な大きめの図書館で借りることもできます。私は図書館で借りて視聴しました。

おすすめしてよいのか分かりませんが、Youtubeやニコニコ動画にアップロードされている場合もあります。違法アップロードであればイタチごっこですぐに消されていくと思います。そのためリンクは貼りませんが、最新の状況はGoogleの動画検索で確認できるでしょう。

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なお、地上波で放映されたのが1993年と20年以上前であるため、CGやBGM、そして演出が古臭く感じるかもしれません。時代はバブル崩壊から突入した不況のどん底に当たり、中東で戦争が繰り返された時期でもあります。そんな当時の世相を懐かしみながら見るのも一興です。

ともあれ、脳卒中を経験し後遺症を抱えている方がポジティブになれる優れたドキュメンタリーだと思います。
是非ご覧になってくださいね。

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