血管年齢の波形の見方を分かりやすくまとめておこう

20160317blood_vessel_age

私は自治体で定期的に行われている血管年齢測定で動脈硬化の状態を確認しています。

1年ほど測定を続けていますが、単に血管年齢が上がった下がったで一喜一憂するだけではなく、「何がどうしてその血管年齢になったのか」をもう少し詳しく知りたいと感じ始めています。

ネット上に医学関係者向けへの解説があるのですが、私達一般人には少々難解です。
噛み砕いてわかりやすくまとめておきましょう。

まず、何の波形を見ているのか?

BCチェッカーで血管年齢の算出に使われるこの波形、一体何の値なのでしょうか?

20160317blood_vessel_age_02

これは加速度脈波と呼ばれるもので、指先の血管に流れる血液の量の変化をとらえた指尖容積脈波(しせんようせきみゃくは)から算出します。

心臓からドクンッと送り出された血液は血管を押し広げながら進みます。BCチェッカーはこの血液量の変化を指先に当てたセンサーで検出します。容積の変化は圧力の変化として考えることもできますので血圧の変化を読み取っているとも言えます。
これが指尖容積脈波です。

しかし、血圧はその瞬間ごとにダイナミックに変化をするため、この指尖容積脈波では血管の具合を判断することができません。血圧の変化に隠れた「その人特有のクセ」を見つけないといけないのです。

そこで「単位時間で指尖容積脈波がどのように変化するか」を知るために微分したものが「速度脈波」です。微分という嫌な思い出がよぎるキーワードがでてきましたが、別に難しい話ではなく、車で移動した距離を1時間に換算すると時速が分かるという簡単な話です。

そしてさらにもう一度微分をします。これで速度がどのように変化をしたかという加速度が分かります。これが血管年齢算出で使われている「加速度脈波」です。
車に例えると、一定速度で走っている時は加速度0で、加速しているとプラス、減速をはじめるとマイナスとなります。加速度をみるとスタートの瞬間は急加速、ブレーキは徐々に強く踏む、というような運転者のクセが分かるのです。

20160317blood_vessel_age_03

動脈硬化は血管が固くなり、そして内径が狭まります。そこを流れる血圧は動脈硬化の影響を受けてそれに見合ったクセがでます。加速度脈波を見ることで血管の状態が見やすくなるということです。

※加速度脈波は血流の移動距離から算出したものではなく、脈による容積変化(圧力変化)をとらえたものです。速度や加速度という言葉は距離を連想してしまうため少し紛らわしいのですが、「血圧の変化の仕方を詳細に調べたもの」と考えてください。

加速度脈波で分かるクセとは

①血管の柔軟性=動脈硬化の進行具合

心臓から送り出された血液は血管を押し広げながら進んでいきます。このとき、血管にしなやかな柔軟性がないと広がった血管はすぐには戻らず、尾を引くように圧力が残ります。

20160317blood_vessel_age_04

すなわち血管が元に戻るときの加速度がゆるやかになるのです。

これでまず血管の柔軟性、すなわち動脈硬化で硬くなった血管の度合いが分かります。

②末梢血管の状態=高血圧になりやすい環境

狭い末梢血管に脈が到達すると一部が反射圧として逆流してきます。心臓から末梢血管に進む圧力波と、戻ってきた反射圧がぶつかり、その合成された波が検出されるのです。

20160317blood_vessel_age_05

この反射圧は血管の硬さや狭さ、血管の緊張状態で変化するため、圧力変化の余韻を調べると末梢血管の状態を知ることができるのです。

機能的原因と器質的原因

加速度脈波には

①動脈硬化
②血管の緊張状態

という2つの要素があることが分かりました。

「①動脈硬化」とは既に血管が物理的に硬く変質してしまった状態です。高血圧やコレステロールなど血管を硬くした原因を取り除いたからといって即座に柔らかくなることはありません。本質が変化してしまったことから、これを「器質的原因」と呼びます。

対して「②血管の緊張状態」。寒さやメンタル、食事や疲労などで血管が過度に収縮していることです。拡張したり縮小したりする血管の機能の制御に障害があることから「機能的原因」と呼びます。当然この機能障害は原因が排除できれば治ります。

20160317blood_vessel_age_06

機能的原因と器質的原因は、口内炎と虫歯、胃炎と胃がんのように、「一時的なものか」それとも「本質が変わってしまったものか」と考えると分かりやすいかもしれません。

つまり、加速度脈波をみると「既にどの程度動脈硬化が進行してしまったか」「動脈硬化になりやすい血管環境か」がわかるのです。

波形を分析しよう

BCチェッカーの仕組みについて解説してきましたが、これらを踏まえてもう少し具体的に見ていきましょう。

波形から動脈硬化の進行具合を知る

まずは反射波がない状態で考えてみましょう。

脈は血管を押し広げて進みますが、動脈硬化が進み柔軟性を失うと膨らんだ血管は尾を引くようにゆるやかに戻ります。ゆるやかに戻るのですから加速度は小さくなります。

20160317blood_vessel_age_07
すなわち

血管が収縮する加速度/血管が拡張する加速度=-b/a

となり、これが動脈硬化の進行具合を表します。

b点ではまだ反射波は到達していませんので、-b/aを見れば血管の硬さである動脈硬化の度合いを知ることができるのです。

波形から末梢血管の緊張状態を知る

次にc点以降は反射波が合成されています。
どのような形の反射波が戻ってくるかは末梢血管の動脈硬化緊張状態で変化します。ストレスなどで血管が収縮し、血圧が高くなる反応をしている場合はそれに見合った反射圧波が帰ってきます。

20160317blood_vessel_age_08

すなわちc点、d点は血管の生理反応である「高血圧を生み出す機能的反応」を示しています。

これは寒さやストレス、緊張などで血圧が高くなっているときに血管年齢を測定すると、結果は高めになるということでもあります。いつどんなときに測定しても一定値が出るというものではないのです。血圧測定は体と心を安静にしないと値が暴れますが、同じことが血管年齢測定でも言えるということです。

血管年齢は短期間でも改善する

このように血管年齢は動脈硬化だけを見ているものではなかったのです。高血圧になる環境があることも血管年齢を上昇させています。

つまり、過食や塩分過多、ストレス、運動不足などを解消して血圧を下げ、良い血管環境にするだけで血管年齢は下がるのです。これらは数ヶ月という短期間でも実感てきるだけの効果がありますので、血管年齢もそれに合わせて下がることになります。

そして、その状態は動脈硬化の進行を遅らせます。もし正常加齢より動脈硬化の進行が遅くなったのなら、血管年齢も増えにくくなり、いずれ実年齢より若くなるでしょう。

このように血管年齢が改善する過程には2つのフェーズがあるのです。

血管年齢の算出方法

波形には加齢により一定のパターンがある

統計をとると、加速度脈波の波形には加齢と共に変化する一定のパターンがあります。
血管年齢は波形を数値化し統計データに照らし合わせて決められているのです。

20160317blood_vessel_age_09

AGPインデックス

血管年齢はどのように算出されるのか、さらに具体的に見ていきましょう。

まず加齢とともに波形はどのように変化するのでしょうか。

20160317blood_vessel_age_10

bが上昇し、cとdが下降します。

そこで

(-b+c+d)/a

を加齢スコアとすることで、血管年齢を産出するのが「AGPインデックス」という手法です。年齢ごとに統計をとり、このスコアに該当する年齢を当てはめたものが血管年齢なのです。

なお、この血管年齢を算出する手法はAGPインデックス以外にもいくつかあるので、同じ指先で測定するBCチェッカーであっても結果が異なることがあります。もし経時変化を調べるのであれば同じ機種のBCチェッカーを使うことをおすすめします。

私のデータで見てみましょう

最近の波形はこれです。

20160317blood_vessel_age_02

20160317blood_vessel_age_09

先ほどの年齢別の波形と照らし合わせると、形は30代によく似ています。しかし血管年齢は45歳でした。

この原因は動脈硬化の進行具合を表している-b/aがほとんど改善していないことが原因だと考えています。

20160317blood_vessel_age_11

波形は大きく形を変えましたが動脈硬化は改善していないのです。残念ながら、動脈硬化が治りつつあるという解釈は間違いだったということです。

対して変化したのは機能的原因を含んでいるcとdのポイントです。-b/aの器質的原因が変化していないのですから、これらポイントの変化は機能的原因が解消された証でしょう。つまり、私の体はこの1年で高血圧や動脈硬化になりにくい体に変化していたということです。

動脈硬化は止められるのか? 改善できるのか?

高血圧になりにくいのであれば、動脈硬化にもなりにくい体と言えます。
私の劣悪だった血管環境は改善しているようですが、器質的変化、すなわち既に硬く変質してしまった血管が再び若い頃のようにしなやかになるのかは今の段階では分かりません。

劣化したら治らないと言われがちな血管内皮細胞も1000日程度のスパンで新しい細胞と置き換えられるといいます。約3年です。

私の血管環境はほぼ整いましたので、これから細胞の老化と生まれ変わりの競争が始まります。本当に動脈硬化が治るのかはあと数年確認し続けて始めてわかるのでは無いでしょうか。

これからは-b/aも監視していきましょう。

まとめ

・血管年齢は動脈硬化と血管環境を合わせたスコアで算出される。
・血管年齢は高血圧になりにくい血管環境を作り出すだけで比較的早く若返る。
・血管年齢が若くなったからといって動脈硬化が改善したとは言い切れない。
・寒さやストレスなどで血圧が高くなりやすい状態で血管年齢を測定すると結果は高めにでる。

・動脈硬化の進行程度は加速度脈波の-b/aの変化で確認できる。
・血管環境の改善や劣化は加速度脈波のc/a、d/aの変化で確認できる。

20160317blood_vessel_age_12

ということで、私はまだ動脈硬化が改善したとは言えない段階であることがはっきりしました。
少しガッカリですが、同時に動脈硬化になりにくい体に変化していることも確認できました。

本当に動脈硬化が改善するか否かはこれから分かることです。
数年後に「ほらね、動脈硬化だって治るんだよ」という記事が書けることを夢見て頑張ります。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です