食品表示法施行により成分表の「ナトリウム」表記は「食塩相当量」に統一される

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2015年4月1日に食品表示法が施行されました。
食品衛生法など複数の法律て定められていた食品の成分や賞味期限などの表記が統一されます。

商品表示(消費者庁)

これにより高血圧患者が最も気になる成分表の「ナトリウム」についても扱いが変わります。

「ナトリウム」から「食塩相当量」へ

食品の成分表の「ナトリウム」表記は「食塩相当量」に統一されます。
現在も食塩相当量が併記されている食品がありますが、今後は食塩相当量をメインに表記しなくてはいけないということです。
ただし経過措置期間として5年が設定されていますので、2020年には全ての対象商品の切り替えが完了するというスケジュールです。

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食品中のナトリウムは食塩(NaCl)以外の形で含まれることがあるため、正確には「食塩量」ではありません。このため「食塩相当量」という少し歯切れの悪い言い回しになっているのです。「実際は食塩とは限らないけどナトリウムを全て食塩として換算するとこれだけの量ですよ」という意味です。

ナトリウム量から食塩相当量に換算する計算式は、

ナトリウム量(mg)×2.54/1000=食塩相当量(g)

でおなじみですよね。

これには消費者にとって身近な食塩として扱ったほうが理解しやすいだろうという狙いが込められています。高血圧対策としての食育は「ナトリウムを控える」や「減ナトリウム」ではなく、「食塩を控える」「減塩」という看板を掲げて推進しようという真意が込められているのです。
表現として正確ではないが分かりやすさをとったということです。

ところが分かりやすくしたことで別も問題が出てくるのです。

食塩無添加だけど実はナトリウム添加という食品も

「食塩相当量」という呼び名ですが、消費者には「食塩」と同等として扱われています。私も会話の中で正しく「食塩相当量」と言っている人に会ったことはありません。大抵が「食塩」「塩分」「塩」ですね。
つまりナトリウムの量を示す「食塩相当量」は「食塩量」として誤認されていることが多いのです。

このため「食塩無添加」を謳う食品は「高血圧のためにナトリウムが無添加なんだな」という勘違いを起こします。「食塩無添加」なのに成分表をみると「食塩相当量」が記載されているという矛盾が起こるのです。
元々の素材に食塩が含まれているという場合もありますが、食塩(NaCl)ではないナトリウムを意図的に添加している場合もあるのです。

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例えば旨味調味料の

昆布の旨味成分:グルタミン酸ナトリウム
鰹節の旨味成分:イノシン酸ナトリウム
椎茸の旨味成分:グアニル酸ナトリウム

他にも製麺時に使うカンスイやケーキに使う重曹もナトリウムを含んでいます。
これらを添加していれば「ナトリウム添加」なのですが「食塩無添加」と言えるのです。

問題の根本はナトリウムの過剰摂取で高血圧を引き起こすことです。それを防ぐためのナトリウムの成分表記なのですが「食塩」という言葉を使ってナトリウム量を管理しているため、「食塩無添加」という表記で消費者をミスリードすることが出来るのです。

「食塩無添加」「食塩不使用」で一見高血圧対策の食品なのにナトリウムを大量添加しているような悪意を持った商品はまだ見たことがありませんが、消費者がその意味を見抜けるように心がけておかないといけないということです。

食塩でないから大丈夫という誤解

消費者は食塩でなければ気にしないという問題も抱えることになります。

食塩という言葉で管理したほうが分かりやすいというのは確かにその通りですが、現時点でも「高血圧にならないように塩分を減らす」という認識の人が多く、ナトリウムに関して全く無関心な人もいます。

例えばスポーツ飲料はナトリウムイオン含有をアピールして販売しています。ナトリウムの含有量は500mlで約250mg(食塩相当量0.6g)と極端に多いわけではありませんが、高血圧患者なら日常的にがぶ飲みすることは避けたい飲み物です。
「食塩」という言葉だけにフォーカスしているとナトリウムを危険なものと考えなくなってしまうのです。

今後変わっていくのでしょうが、現在のゲータレードの成分表を見るとこう記載してあります。

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「食塩」という表記だけを注意している人は塩化ナトリウムが食塩とは思わないでしょう。また乳酸ナトリウムやグルタミン酸ナトリウムが高血圧に影響するとも考えないでしょう。

今後、ナトリウムの表記を食塩相当量に統一するということは、ナトリウムで食育や健康管理をすることが減るということを暗示しています。すなわちさらにナトリウムの認知度が減るということです。

医師や栄養士もそれらを天秤にかけて負の部分も抱える覚悟で方針を出したのだと思いますが、高血圧から一歩進んでしまった私のように余裕のない人たちはしっかり本質を捉えて対処しないといけないということです。

個人的には

難しい問題ですよね。
大体あっているけど厳密には違うといういかにも日本ぽいスッキリしない方針です。かと言って強引にナトリウムに統一すれば世代が入れ替わるまでしばらく混乱するでしょう。

ちなみにアメリカでは塩「Salt」ではなくナトリウムを表す「Sodium」という言葉がそのまま使われています。
ポークランチョンミートのSPAMの減塩タイプであればこの通り。

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このように「ナトリウム25%カット」では一般的な日本人なら化学実験を連想してしまい、あまり食欲が湧かないのも事実です。

しかし脳出血を起こしてしまった私としては、命に関わる誤解を生む可能性を残したままという方針は歓迎したくはありません。
こうやっていろいろ勉強して初めて「あーそういう意味だったのか」と気づくということは実は恐ろしいことなのです。
個人的には50年後100年後を考えて表記を「ナトリウム」に変えていく道を残しておくべきだったのかなと考えています。

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コメント

  1. 闘病中のおばさんです より:

    大変参考になりました。 ありがとうございました。

    <<<ナトリウム量から食塩相当量に換算する計算式は、
    ナトリウム量(mg)×2.54/1000=食塩相当量(g)

    実は換算式、知りませんでした。
    早速 今朝 食べたフランスパンの食塩配合を計算しましたら
    食塩は フランスパン1本で3gでした。
    パン食の時は サラダやチーズなどはさんで
    1日 1本 フランスパンを食べますので
    パンだけで 1日の塩分の半分を摂取・・・と知り
    もっと 気を付けなければ とおもいました。

    毎度 有益な情報に 感謝しております。

    寒くなりましたが お互い 血圧に気を付けましょう。
    ご自愛のほど。

    闘病中のおばさん

    • ameo より:

      パンは思いの外塩分が高いですよね。
      厚切りの食パン1枚で1g近くもあります。
      菓子パンなら塩分が少ないのですが、こちらは糖質が強烈。
      無塩パンは美味しくないし。

      制限されると余計に食べたくなってしまいます。
      困ったものです。

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