2016年10月、オムロンの血圧計に関して大きな動きがありました。
1年後の2017年12月に血圧管理サービス「ウェルネスリンク」が終了。
ウェルネスリンク対応モデルを使っているユーザーは新サービスへの移行を余儀なくされます。
また今後の機種選びも注意が必要です。
その背景は極めて複雑で難解です。
分かりやすくまとめていきましょう。
2018/03/20追記
オムロンコネクトはアップデートにより機能が追加され不満点は解消しています。
この記事は過去のバージョンについての評価となります。
詳しくはこちらをご参照ください。
●オムロンコネクト大幅アップデート、「かんたん血圧日記」がなかなか良さそうです
2017/06/06追記
パソコンでデータ管理を継続できる「ウェルネスリンク機器専用 測定記録取り込みソフトウェア」の提供に関する案内がありました。
血圧データは血圧計からパソコンに直接取り込み、ネットを介さずに「朝晩血圧手帳」などのレポート印刷が可能になる予定とのことです。
詳しくはコチラをご参照ください。
http://www.faq.healthcare.omron.co.jp/faq/show/13526?site_domain=wellness
※お持ちの血圧計が対応予定モデルに含まれているかを確認してください。
リリースは2017年11月と案内されています。
機能が案内通りであれば、この記事の懸案事項は綺麗に解消されます。
期待しましょう!
①ウェルネスリンクの終了、オムロンコネクトのサービス開始
いままでオムロンの血圧計のデータ管理はウェルネスリンクで行われていました。
このサービスはドコモ・ヘルスケアの健康管理サービスプラットフォームであるWM(わたしムーヴ)のなかで提供されています。
しかし、2016年11月よりオムロンは独自の健康管理サービスプラットフォーム「OMRON connect(オムロンコネクト)」を立ち上げ、サービスの提供を始めています。
今後オムロン製の血圧計やその他の健康管理機器はこのオムロンコネクトに集約されていくでしょう。
●モバイルヘルスケアをサポートする健康管理アプリ 「OMRON connect」(オムロン コネクト)ニュースリリース
http://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2016/1004.html
●オムロンコネクト
http://www.omronconnect.com/jp/ja_def/
その影響でドコモヘルスケアとオムロンヘルスケアの協業事業であるウェルネスリンクは2017年12月を持ってサービス終了となります。
●ウェルネスリンクサービスの終了について
http://www.healthcare.omron.co.jp/info/2016/1004.html
そしてウェルネスリンクの後継アプリとして「わたしムーヴ」アプリが用意されています。
●【重要なお知らせ】「WM(わたしムーヴ)」各種サービス/アプリの統廃合について
http://www.watashi-move.jp/pc/wm/info_f/2016100401.html
つまり、ドコモヘルスケアとオムロン(ヘルスケア)は提携を解消する方向に大きく動いたということです。
宙ぶらりんなのはウェルネスリンク対応モデルを使用しているユーザー。
管理サービスを続けたいのであれば後継アプリである「わたしムーヴ」を利用するか、オムロンコネクト対応モデルを購入して「オムロンコネクト」に移行するかの判断をしなくてはいけません。
②ウェルネスリンク利用者は代替えアプリに移行
ウェルネスリンク対応モデルではオムロンの新サービス「オムロンコネクト」を利用することができません。
2016年11月以降発売されるオムロンコネクト対応モデルの血圧計が必要になるのです。
ウェルネスリンクは2017年12月までは現状のまま使用できますが、それ以降は
PC用管理アプリ「ウェルネスリンク」→終了
スマホ用管理アプリ「からだグラフ」→終了(後継アプリ「わたしムーヴ」へ)
と案内されています。
つまり、スマホであればウェルネスリンク終了の2017年12月以降も後継アプリで継続利用することが可能です。
なお、若干ではありますがウェルネスリンク対応モデルでも「わたしムーヴ」に移行できないモデルも存在します。
事前に確認しておきましょう。
http://www.faq.healthcare.omron.co.jp/?site_domain=wellness
これで一安心と思いきや・・・、
③「わたしムーヴ」の今後がちょっと、いや、かなり心配
オムロンが独自に健康管理サービスを始めたことでドコモ・ヘルスケア「わたしムーヴ」の先行きが怪しくなってきました。
わたしムーヴ対応の健康管理機器のほとんどがオムロン製だからです。
●WM(わたしムーヴ)で使える健康機器
http://www.watashi-move.jp/pc/wm/product/index.html?ref=top_rb
同じようなサービスを立ち上げてライバル会社になった以上、今後オムロンが「わたしムーヴ」対応モデルを開発する可能性は低いでしょう。
新しい機器が提供できない以上「わたしムーヴ」は会員が減る一方ですのでどこかでオムロン製品のサポートを止めてしまうかもしれません。
そして今のところ別の血圧計メーカーと新たにタッグを組むという情報もありません。
多くの入力デバイスと会員を増やす経路を失った「わたしムーブ」はどうなってしまうのでしょうか。
今後がとても心配です。
さらに悪い事に「わたしムーヴ」アプリの出来も今ひとつです。
・とにかく重い
・データの修正ができない
・血圧グラフは1日の平均値を表示するだけ
・最も重要な朝晩のデータをグラフにすることができない
・データのダウンロードが出来ない
・データやグラフの印刷ができない
血圧測定を治療の一環として考えているなら、今のままでは全く使い物になりません。
例えば、この日のデータはウェルネスリンクではこうなります。
わたしムーブでは、
グラフは1日の平均値になるため異常がわからなくなってしまいました。
これでは早朝高血圧など特定の時間帯に上昇する血圧値が埋もれてしまいます。
また血圧が高くても、毎夜お酒をしこたま飲んで夜の血圧値を下げればグラフ的には異常なしとなってしまいます。
血圧測定で大切なのは朝の血圧値。
朝の血圧値は診察室での測定より優先される最も重要な値です。
次に夜の血圧、夜だけ上昇する人もいます。
仕事中にストレスで上昇する人もいるでしょう。
これらを混ぜて平均にしてしまったら測定の意味がありません。
また平均の計算方法もはっきりしません。
何時から何時までを1日と考えているかもわかりません。
いろいろ試算をしてみたのですが、単純に全ての値を足して平均をとっているわけでもなさそうなのです。
大雑把に血圧値を見ておきたい健常者なら単純明快で良いのかもしれません。
申し訳ないのですが、ワンナウトで後がない高血圧患者としては「使い物にならない」としか言えません。
●WM(わたしムーヴ)アプリ
・Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.docomohealthcare.android.watashimove2&hl=ja
・iOS
https://itunes.apple.com/jp/app/wm-watashimuvu/id799323424?mt=8
そんな事情もあり、現在出ている情報だけでは「わたしムーヴ」と「ウェルネスリンク対応モデル」という組み合わせで使い続けることはオススメできません。
何処かで見切りをつける覚悟をしておきましょう。
そして買い替えも…たとえ在庫が破格で叩き売りされていても…ウェルネスリンク対応の血圧計は選ばないほうが良いでしょう。
④オムロンコネクトも注意が必要
サービスが開始されたばかりであり、私も対応モデルを持っていないので実際に使ってはいないのですが、Webサイトの説明を見る限り、グラフは1日の平均値、手入力での追加ができない、データの出力ができない※、グラフの印刷ができないなど、機能は「わたしムーヴ」と同程度です。
●オムロンコネクト・ヘルプ
http://www.omronconnect.com/jp/ja_def/support/
こちらのアプリも治療の一環として血圧をキッチリ管理したい人にはオススメできるものではありません。
これは困りました。
※2017/02/26追記
オムロンコネクトはver. 2.4.0でCSVファイルの出力機能が追加されました。
⑤どのみちPCでの管理は出来なくなる
「オムロンコネクト」も「わたしムーヴ」もスマホ用アプリであり、PC用アプリは用意されません。
PCでお使いの方は1年以内にスマホを用意しないとどちらの血圧管理サービスも受けることが出来なくなります。
もしPCで分かりやすくまとめようとすると「スマホで血圧データをダウンロードしてPCで・・・」と考えますが、「わたしムーブ」も「オムロンコネクト」※もデータのダウンロード機能が用意されていません。
自分の血圧データではありますが持ち出すことができなくなるのです。
つまり今後PCでの血圧管理や解析、バックアップは不可能となります。
※2017/02/26追記
オムロンコネクトはver. 2.4.0でCSVファイルの出力機能が追加されました。
⑥印刷できるかはとても重要
新しい2つのスマホアプリでは印刷機能がありません。
さらにPC用アプリもなくなるため、印刷することは不可能になります。
高血圧で通院している患者にとっては血圧データは日々の管理だけではなく、診察時に医師に提示して説明をするという大変重要な役割があります。
医師にスマホを見せながら週ごと/月ごとの朝の血圧平均値、そして異常値を報告できるでしょうか。
現状のアプリでは無理でしょう。
ウェルネスリンクでは朝晩血圧手帳というレポートがダウンロードでき、それを印刷するだけで事足りました。
私は印刷した紙をペラペラめくりながら要点を説明し、必要であればそのまま医師に提出してしまいます。
もはや仕事のプレゼンのノリです。
ですので、この印刷が出来なくなった件に関してはかなりの不満が残ります。
医師とコミュニケーションが取りにくくなったと感じるのです。
それは本気で高血圧の治癒を目指す方、合併症を未然に防ごうとしている方にとっては大きなマイナスです。
まとめ
ということで、要点は
・PC用「ウェルネスリンク」は2017年12月にサービス終了
・スマホ用「からだグラフ」も2017年12月にサービス終了→後継アプリ「わたしムーヴ」に移行が可能
・もしくは新しい血圧計を購入し、「オムロンコネクト」で管理
・ただし、2つのアプリ「わたしムーブ」「オムロンコネクト」の機能は高血圧患者にとっては不十分
・PCで血圧管理サービスを利用することができなくなる
・データの出力/印刷が出来なくなる。※
兎にも角にも、自分が測定した血圧データで何をしたいかをよく考えて、今後の対応を選択してください。
※2017/02/26追記
オムロンコネクトはver. 2.4.0でCSVファイルの出力機能が追加されました。
再掲
全て現在2016年11月時点の話です。
今後変更や改善があるかもしれません。
最新情報のチェックは忘れずに。
私は手入力へ移行
現在私はオムロンの手首式血圧計HEM-6310FとUSB通信トレイを使い、PC経由でウェルネスリンクにデータを転送しています。(スマホのNFCが故障してしまったため)
これが1年後に出来なくなってしまいます。
「わたしムーブ」「オムロンコネクト」は私にとっては機能不足です。
「高血圧治療」のためではなく、血圧を体重や歩数などと同等に考えられる健常者の「健康維持」のためのサービスなのでしょう。
ということで、脳出血の再発が怖く、余裕のない私は2017年12月にウェルネスリンクが終了した後は、PCやスマホへの手入力へと移行します。
血圧は表計算ソフトか単純な記録アプリを使って自分なりにまとめていきます。
猶予は1年ありますので、ダメ出しをした2つのアプリも機能追加で充実してきたら再考する予定です。
あぁー整理したらスッキリ。
コメント
「ウェルネスリンク機器専用 測定記録取り込みソフトウェア」の提供が発表されましたね。
http://www.faq.healthcare.omron.co.jp/faq/show/13526
機能詳細をざっと見る限り、下手をするとこれまでよりも利便性が上がるかもしれませんね。実画面を見てみないと断定は出来ませんが。
ES-P2020DZを検討していましたが、HEM-1025と付き合っていけそうでホッとしました。
こんばんは。
管理人のameoです。
おぉー素晴らしい情報ありがとうございます!!
データを直接PCに取り込みレポートが作成できるようですね。
利便性が上がりそうだという点は私も全くの同感です。
ネット越しにデータを置かないため、データいじりが好きな人にとっては大きなプラスとなりそうです。
愛用しているHEM-6310Fも延命できそうで安心しました。
苦情が多すぎてやむを得ず、と言ったところでしょうか。
この件、どこを見ても辛辣な意見ばかりでしたからねぇ・・・。
はじめまして!オムロン関係の記事ありがとうございます!
パソコン向けソフトウェア提供って知らなかったので喜んだのですが
これはオムロンコネクト対応機種ではなく、以前のウェルネスリンク機器専用ですよね?
このたびの「PCでの管理終了」で、早々とオムロンコネクトに対応する機種を買いました。
血圧計(HEM-7600T)・活動量計(HJA-405T)・体重体組成計(HBF-256T)の3つです。
Wi-Fi対応の体重体組成計(HBF-253W)は気に入ってたけどオムロンコネクトに対応しないので
HBF-256Tを購入し、HBF-253Wは友達にあげようとしたら初期化(リセット)ができないんです!
そんなはずはない!
普通の機器は小さい穴があってそこを押せばリセットできるでしょ??
(→探してもありません)
何かのボタン長押しとか同時押しとかがあるでしょ!!
(→説明書を読みあさりましたがそれもみつかりません)
お手上げ状態でオムロンお客様サービスセンターに問い合わせたら…
「あいにくHBF-253Wには初期化や個人データを削除する機能がございません」
と言うお返事でした。
えっ??冗談でしょ?
これだけ個人情報にうるさい時代に初期化やリセットができない機器なんてあるの?
じゃあ、捨てたりあげたりするときは自分の個人情報も渡すの??
リセットできないHBF-253Wは結局今も使っています。(わたしムーヴで)
新しく買ったHBF-256Tは箱に入ったままです…
血圧計と活動量計はオムロンコネクトだし、もうめちゃくちゃ!
これでウェルネスリンク機器専用ソフトが出たら、また以前の機種に戻すことに?
(トレイ、捨てようと思ったけど残しておいてよかった…)
長くなってすみません。
頭が混乱しててうまくお伝えできたかどうかもわからず失礼しました。
ぶ~にゃんさん、こんにちは。
管理人のameoと申します。
コメントありがとうございます!
冒頭に追記した「測定記録取り込みソフトウェア」はウェルネスリンク専用ですね。
パソコンで管理したい人にしてみれば、新しいオムロンコネクトより終了するウェルネスリンクの方が使い勝手が良いというおかしな状態になってしまいます。
オムロンコネクトにも同じような機能追加を期待したいところです。
私も調べてみましたがHBF-253Wは「データの消去ができない機器」に含まれていますね。
それができるモデルもあるのですから不可思議な話です。
ユーザーアカウントを削除する機能自体が用意されていないのであれば、残念ですが譲渡は諦めるしかありません。
そして今回案内された「測定記録取り込みソフトウェア」の体組成計の対応機器にBF-253Wは含まれていませんでした。
ですので、既に体組成計もオムロンコネクト用機器を用意しているのであれば、思い切ってオムロンコネクトに統一したほうが後々のためになると思います。
ウェルネスリンクの後継アプリ「わたしムーヴ」がどのようなサービスをいつまで継続してくれるか、現時点の情報だけでは不安が残ります。
十年二十年という長い目で見ると、医療機器メーカーであるオムロンが提供するオムロンコネクトの方が安心できるのではないでしょうか。
ただし、オムロンコネクトの機能も治療目的としてはまだまだ不十分です。
オムロンはそれを認識しているはずですので、このままということはないでしょう。
あと半年でどれだけ改善できるか期待しましょう。
ご無沙汰しています。
ウェルネスリンク用ソフト提供の予告案内が私にも届きました。
いやぁ、良かったです。血圧計・歩数計とも今までどおり(今まで以上?)の運用ができるようで、ほっとしました。
何とかコネクトに早まって乗り換えなくて良かった。スマートフォンはないんですがタブレット端末はあるので泣き寝入りを半ば覚悟していたのですが、助かりました。
お久しぶりです。
メールでも案内が来ましたね。
今回のソフト提供はホントに助かります。
あとは予定通りにリリースできるか、ですね。
もともとその機能がない機器ですので、イレギュラーな処理をする厄介なプログラムになるはずです。
オムロン・ヘルスケアには是非頑張ってもらいたいものです。
私のPC環境では問題ないですが、マック用ソフトが2018年2月リリース予定とウェルネスリンク終了に間に合わないことが少々気になります。
その間の血圧データが途切れてしまいます。
この件、要望が強ければ変更があるかもしれませんね。
既にオムロンからのメールで案内されていますが、パソコン向けサービスの終了日は3/13に延期(?)されたようですね。
Mac版アプリの提供日が2/28(Windows版は11/29)ですので、アプリの提供日までサービス継続と言うことになったのでしょうね。
ところで、アプリ版のグラフが「1ヶ月単位の表示のみ」というのが気になります。季節間の推移を見る上では、3ヶ月~半年間にまたがった表示モードもあったら便利なんですけどね。
CSV出力して別途グラフ作成すると言う手も、あるにはありますが。
表示期間が1ヶ月というのは私も気になっています。
ただ朝夕血圧手帳(PDF)が当月+6ヶ月という案内もありますので実害はないのかもしれません。
もうすぐwindows版が公開されますので実際に使ってみて、ですかね。
楽しみです。
余裕があれば独自にCSVデータ加工用Webサイトでも立ち上げたかったのですが、今はカツカツで厳しいです。
本当はこのタイミングで格好良く提供したかったんですけど。。
オムロンコネクトのアプリに新機能として、朝晩の血圧をそれぞれ分けて表示できる機能が加わりました。
期間を指定してpdfに出力して印刷することもできます。
いままでの懸案事項がすべて解消された感じです。
良ければチェックしてみてください。
返信が大変遅くなり本当に申し訳ありません!
PCの入れ替えでバタバタしておりました。
情報ありがとうございます。
やはり機能を追加していただけたようですね。
これはありがたい。
この記事では「このままではオススメできない」とまとめていましたので見直しをしないといけません。
詳しく確認してみますね。