ちょっと待った! その胃薬が血圧を高くしているかも知れない

高血圧の原因は人それぞれです。
ストレスによる自律神経の乱れや食べ過ぎ・飲み過ぎによる肥満もその原因の一つです。
この場合は同時に胃の不調が併発していることも多くあります。
そんなときにお世話になるのが胃薬ですが、実は胃薬が高血圧を引き起こしている可能性があるのです。

やっぱり原因はナトリウム

実は胃薬には胃酸の出過ぎを防ぐ制酸成分として炭酸水素ナトリウムを配合しているものがあります。弱アルカリ性の炭酸水素ナトリウムが強酸の胃液を中和して胃の損傷を防ぐという仕組みです。
実は炭酸水素ナトリウムとはキッチンのお掃除でお馴染みの「重曹」のことです。重曹は胃薬としても使えるのです。

例えばこんな胃薬です。

20150415_stomach_medicine_01

この胃薬は名前の通り炭酸水素ナトリウムそのものです。
添付文書を読んでみると1回1.7gで1日3回ですので、1日で5.1gの炭酸水素ナトリウムを摂取することになります。

これを食塩相当量に換算してみましょう。

まずナトリウムだけに換算すると、炭酸水素ナトリウムの分子量は84でナトリウムの原子量は23なので、
5.1g×(23/84)=1.4g
ナトリウムは1.4g(1400mg)になります。

次に塩分相当量に換算すると、
1.4g×2.54=3.55g
食塩相当量は3.55gになります。

毎日3.55gの食塩を摂取していることと同じなのです。
1日6gの塩分制限をしている人にとっては多すぎる量です。

これに気づかないと塩分制限で1日6gで抑えているつもりが、9.55gという健常者の平均に近い量を摂取していることになってしまいます。(食塩摂取量の平均は2013年の調査で男性11.1g、女性9.4g)

平均の11.1gを摂取していた人がこの薬を服用すると14.6gという大変危険な量になってしまうのです。
(健常者の目標値は厚労省の食事摂取基準2015で男性が8g未満/女性は7g未満)
このように高血圧という観点から見ると常用は怖い胃薬なのです。

しかし薬の取り扱い説明書には高血圧に関しての注意書きはありません。
高血圧を気にする人は自分で注意をしなければいけないということです。

一般的な胃薬にもナトリウムは含まれている

20150415_ootaisann_01

上記のような「炭酸水素ナトリウム」という胃薬はなかなか目にすることはないですが、薬局でお馴染みの胃薬にも炭酸水素ナトリウムが含まれるものがあります。

例を挙げるとこんな胃薬です。

薬名 メーカー 一日分の炭酸水素ナトリウム(mg) 一日分の食塩相当量(g)
ザッツ21 武田薬品 1200 0.8
新キャベジンコーワS コーワ 900 0.6
太田胃散 太田胃散 625 0.4

これらの一般的な胃薬は食塩相当量で見ると多くはありませんが、毎日キッチリ計算をして塩分コントロールをしている人にとっては無視できない量です。

計算を分かりやすくしておきましょう。

炭酸水素ナトリウム(重曹)×0.7=食塩相当量

となりますので、もし常用している胃薬があるのであればこれで計算をしてみましょう。

胃薬以外も注意しましょう

今後食品の成分表もナトリウムから食塩相当量という表記に切り替わります。

●参考
食品表示法施行により成分表の「ナトリウム」表記は「食塩相当量」に統一される

血圧を気にする方が注意しなければいけないのは塩ではなくナトリウムです。さらに〇〇ナトリウムという化合物も同様に注意しなくてはいけません。

私のように医学や化学が得意ではない高血圧患者にとってはなかなか厳しい世の中ですが、少しづつでも日々学びながら自衛をしていくしかないでしょう。
お互い頑張りましょう。

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コメント

  1. 闘病中のおばさんです より:

    はじめまして。 50歳代のおばさん患者です。

    今年の8月に、脳梗塞になりました。
    幸いにも 軽症で 大きな後遺症はありません。

    手首式の血圧計を購入しようとして WEB検索しましたら
    こちらのブログにたどり着きました。

    血圧計といい 胃薬情報といい 大変有益なお話を読ませていただき
    ブログ主様に 感謝しております。 ありがとうございます。

    脳梗塞の発作時は ブログ主様と 同じような発作でして
    思い出すだけでも 恐ろしくて 血圧が上がりそうなので
    思い出したくない・・・と 弱虫なおばさんです。

    私の場合 脳出血ではなく おそらく ラクナ型梗塞といわれる脳梗塞で
    MRIでは 過去にも脳梗塞をやったあとがあり(無症状の脳梗塞・隠れ脳梗塞)ました。

    なお 高血圧 肥満 高脂血症 ということで 現在 投薬治療中です。

    プラビックス 75MG (血液サラサラ薬)
    ネキシウムカプセル20MG (胃薬)
    バルサルタン40MG(血圧降下剤)
    アムロジンOD(血管拡張、血圧降下剤)
    そして
    ストロングスタチンの リバロ(高脂血症・コレステロールを下げる薬)

    以上を 投薬中です。

    ブログ主様の 今は 薬を飲まずに健康体 ということ
    実に 素晴らしいとおもいます。感動しました!

    私も 是非 そうなりたい・・・・!!

    ときどき 薬の副作用か? とおもうような 倦怠感があります。

    今は 仕事を休んでいます。 出張が多い仕事なので
    ドクターから 発作後の三カ月以内は 安静を といわれました。
    飛行機に乗って 無理をすると また 血圧が上がりそうだからです。

    血圧の薬を飲んでいても 先月は 血圧が170になって
    あわてて 病院にいきましたら 精神安定剤を処方され 
    それをのんで 寝ていましたら 下がりました。

    知人から 深呼吸をすると 血圧が下がる と聞きまして
    実践しましたら 本当に下がりました。同時に
    こちらのブログでも 血圧の下げ方が記載されており
    有益な情報に 心から感謝を申し上げます。

    私も 一時 発作時は死を意識し 涙の毎日がありました。
    今は 生きてることをかみしめております。

    いろんなひとのブログを拝見しまして
    私とおなじようなかたが いるのだと 知りました。

    ブログ主様には 有益な情報 そして 前向きな生き方を伺い
    大変 励みをいただきました。

    感謝申し上げます。

    これから 寒くなりますので 何卒 ご自愛のほど!
    ご健康を お祈り申し上げます。

    • ameo より:

      はじめまして。
      管理人のameoと申します。

      脳梗塞、大変でしたね。
      しかし軽症で本当に良かった!

      とても勉強熱心な方のようですので不要なアドバイスかもしれませんが、
      いろいろ自分で調べることは大正解です。

      脳卒中もその原因の生活習慣病も治すのは自分です。
      医師ではありません。
      医師に協力していただいて自分で治すというスタンスでないと、
      これらの疾患はなかなか良くはならないのです。

      ですので文面から察するに「この人治りそうな人だなぁ」と感じています。
      大丈夫です。
      そのまま行きましょう!
      新生活にも慣れ、冬を乗り切れば一気に楽になりますよ。

      発症3ヶ月であれば血圧の変化や再発に怯えながら、生活を変えるのに苦労していることと思います。
      おそらくご協力できることがたくさんあると思います。
      もし不安なこと分からないことなどありましたらどんどんコメントくださいね。
      待ってます。

      追記:
      私が推していたオムロンの血圧計のデータ管理サービス「ウェルネスリンク」ですが、
      最近サービスの統廃合の案内がありました。

      http://www.watashi-move.jp/pc/wm/info_f/2016100401.html

      その中で「1年後にサービスはスマホのみとなり、PCでの利用が出来なくなる」という私としてはとても困る内容もあります。
      今オムロンの血圧計を選ぶなら注意が必要です。

  2. 闘病中のおばさんです より:

    あめお様
    ご返信、励ましのお言葉を 誠にありがとうございました。
    オムロンの血圧計についても情報をありがとうございました。

    脳梗塞発作後 一ヶ月で 体重は 7キロ減量しましたが
    今2カ月を超えましたが 最初に7キロ減ったまま 以後は 全く減りません。

    おそらく 7キロは 食事療法で減量したものだとおもいます。
    あと 5~8キロ 減らしたいですが これには 運動療法が必要
    と感じています。しかし 最近寒いので (←言い訳上手でございます)
    なかなか 外に出るのがおっくうになっています。
    縄跳びを買いましたが 2回やっただけで 今は 下駄箱の隅に
    眠っています・・(強く反省・・・)

    でも 私は 生きていたい。 
    だから 運動を頑張らないと・・・
    明日から 縄跳びを再度 チャレンジしようとおもいます。

    幸いにも 食事制限は成功しています。
    もともと ピザ、カレー、シチュー、てんぷら、ケーキ(生クリーム系)など 
    油料理、高カロリーの食事が大好物でしたが
    あの発作を思い出しますと もう 高カロリーの食品は
    見るだけで 恐ろしい と思うようになりました・・

    今は いつも 野菜スープ、湯豆腐、大豆ごはんなどを食しており
    カルシウムは 加工乳(低脂肪、高カルシウム)で摂っています。

    今の目標は 12月に採血し 血液検査をしますが
    その血液の値が すべて正常値になること です。
    でもこれは 薬餌療法をしていますから 当然といえば当然です・・

    ドクターに 薬を減らしてもいい と言っていただけるように
    血圧管理を しっかり行っています・・・

    AMEO様は 減量されて血圧が下がったそうですね。
    私も 減量を 今 頑張っていますが
    自分に甘く 人に厳しい性格なので 
    なかなか おもうように減量できません。
    しかし! AMEO様の 下記のお言葉に 目が覚めました。
    そうだ そのとおり!とおもいます・・

    >脳卒中もその原因の生活習慣病も治すのは自分です。
    >医師ではありません。
    >医師に協力していただいて自分で治すというスタンスでないと、
    >これらの疾患はなかなか良くはならないのです。

    脳梗塞という病気になったのも自分の暴飲暴食や日々の習慣せい・・
    そして 病気を治すのも 自分の力で!

    今後とも AMEO様の ブログから いろんな治療のヒントをいただきたいです。

    今後とも ブログを書き続けていただけましたら 有難いです。

    毎日 拝読させていただきます。

    • ameo より:

      こんばんは、ameoです。

      私がお伝えしたかったことがしっかり伝わっていたのでとてもうれしいです!

      発症から3ヶ月、今は耐えなくてはいけない時期だと思います。
      「甘えに満ちた普通だと思っていた生活」を「歳相応の普通の生活」に入れ替えないといけません。
      私達はもうどんな乱れた食生活でも耐えられた二十代ではないのです。
      今は中年であり、もうじきお爺さんお婆さんになるでしょう。
      悲しいことですが、コレだけは諦めないといけません。

      それでもしっかり節制をして結果さえ出せば、魅惑の脂ギッシュな料理もたまには食べることができるでしょう。
      私も発症2年で二度と食べることが出来ないと諦めていたラーメンやカツ丼や駅ソバも(たまにはですが)食べることが出来るようになりました。

      あと、運動は辛く我慢を強いるやり方では絶対に絶対に続きません。
      「楽しい!!」と思えるナニカを模索しましょう。
      私は「走る」を選びました。
      テニスでもフラダンスでも登山でも太極拳でも構いません。
      血圧対策云々以前に「楽しいからやりたい!!」というナニカが見つかればもうシメたものです。
      あとは思いっきり楽しむことが日々の治療になります。
      是非そのナニカを見つけましょう。

      きっとそこには楽しい生活が待ってますよ。
      ポジティブにいきましょう!!

  3. 闘病中のおばさんです より:

    アメオ様

    アドバイス ありがとうございました!! 感謝感激でございます。
    そうですね。 運動は 義務 になっているから継続できていないのかもしれません。
    おっしゃるとおりです。

    楽しんでできる <何か>の運動を考えます。
    <<あとは思いっきり楽しむことが日々の治療になります。>>
    楽しんでできる治療、とは 本当に良いですね。 確かに 継続しますね。
    今まで 運動療法が継続できず 自分自身に困っていましたし 
    これではダメだとあせっていました。
    楽しむ何かを見つけます。 どうも ありがとうございました。

    食事療法は 今 成功しているので
    あと 運動療法だけがんばります。

    目標は、あと 三カ月以内に
    100%薬不要で 血圧、コレステロール、血糖値の正常化
    を目指します。そして 体重も あと5-8キロ 減量目標。

    アドバイス 大変参考になり 励みになりました。
    確かに 若かったころは 暴飲暴食 徹夜の仕事・・全く問題なかったです。
    でも もうかなり 体にガタがきました・・・残念ですが 事実です。
    今後は シニア年齢としての自覚をし 身体をいたわりながら 生きていきます。
    あめお様 ご親切に、アドバイスをくださって有難うございます。
    おっしゃるとおりです。目が覚めました。
    心から感謝をいたしております。

    再発におびえて 藁にもすがるおもいで 毎日いろんなかたのブログを拝見したり
    脳梗塞の病気についてのWEB検索をして 知識をあつめております。
    生きていたい
    という 強い気持ちでおります。

    今後 もっと寒くなりますので
    アメオ様も 何卒今後とも ご自愛のほど!

    今後とも 何か わからないことがありましたら
    コメントにて 質問をさせていただきますので
    アドバイスいただけましたら幸いでございます。

    こちらのブログは 多くのファンがいらっしゃいますが
    私も そのなかの1人です。

    ありがとうございました!!

    闘病中のおばさんより

  4. お久しぶりです、闘病中のおばさんです。 より:

    ご無沙汰をしております。
    昨年8月に 軽い脳梗塞になりまして
    後遺症なし しかし 薬は服用中です。

    体重は 12キロ減量し
    今は いろんな人に 痩せたといわれています。

    間食をやめて 食後のアイスクリームもやめて
    がんばってきました。

    ところで
    今 
    アムロジン  血圧下げる薬
    ブラビックス(クロピドグレル)血液をサラサラにする薬
    バルサルタン(血圧低下薬)
    ですが
    これにネキシウムという胃薬も処方され飲んでいます。

    しかし
    ネキシウムは バイアスピリンで胃が荒れるのを
    防止するために処方されるのですが
    (脳梗塞でたおれたとき ネキシウムを飲んでいました)
    いまなお 処方されています・・

    ドクターは 血液サラサラ薬を飲んでいるから
    血が止まりにくくなる・・胃潰瘍になったら大変なので
    と説明されますが
    PPI系のネキシウムは WEB情報では 脳梗塞にどうなのか? という論文もあり
    不安になりました・・

    あめおさまは ネキシウム 飲んでいましたか?

    薬について 長期的にのみますので 不安が多いです・・

    • ameo より:

      お久しぶりです!
      頑張っているようで安心しました。

      私も退院直後は胃薬を処方されていました。

      ・ガスターD錠
      胃酸やペプシンの分泌を抑える。
      PPI系ではなくH2ブロッカーに分類される胃薬ですね。

      確かに海外で「PPI系を高用量で服用すると虚血性疾患が増える」という報告がありますね。
      しかし「低用量であれば違いはほぼ無い」ともされています。
      要点だけのニュース記事だけでは条件や程度がすっぽり抜け落ちていて、心配すべき話なのかサッパリわかりません。

      どんな薬にも副作用があり、大量に服用すれば毒にもなります。
      そして最もよく効くPPI系の胃薬を高用量飲まなくてはいけない人であれば、他の疾患のリスクも高いのは不思議ではありません。
      現時点ではそんなよくある話のようにも思えます。

      H2ブロッカーも検索すると「認知症になる」と煽るサイトがたくさん引っ掛かります。
      降圧剤やサラサラ薬もいろいろ言われていることはご存知でしょう。
      色々調べることは大切ですが、心配し過ぎも身体には毒だと思うのです。

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