パスタの茹で汁に塩を入れたときの塩分摂取量を調べてみよう

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乾麺のパスタは唯一とも言える塩分を含まない麺です。
塩分制限をしている高血圧患者にとってはありがたい食材ですよね。

しかし、パスタはお湯で茹でる際に塩を入れるというのが一般的です。
茹で汁に塩を入れるとどの程度の塩分摂取になるのでしょうか。

今回はこれを確認してみましょう。

パスタの茹で汁に塩を入れる理由

お湯に塩を入れることが当たり前・常識のように言われていますがその理由はなんでしょうか。実は余りはっきりしていません。

・塩味を付ける。
・沸点を上げる。
・麺にコシを持たせる。

塩を入れても沸点は1℃も上がりませんし、麺のコシを生むグルテンは不溶性ですのでちょっと無理がありそうです。最も信ぴょう性があるのは塩味を付けることです。では今回は味も併せて確認していきましょう。

事前確認

まずは無塩のお湯で茹でたときに塩分が検出されないことを確認しましょう。使用している塩分計は塩分以外のミネラルにも反応してしまいます。あまりに他のミネラルが多いと正確なデータではなくなってしまうので念のための確認です。パスタも茹で汁も無塩ですので0%となっていれば合格です。

食塩無しで茹でた場合

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茹で汁には0.01%とわずかにナニカが検出されていますが、この程度であれば無視しても問題ないでしょう。

では早速実験を始めましょう。

実験条件

パスタ:一束100g(デュラムセモリナ1.4mm)

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実測では102gでした。

お湯:1リットル
食塩:10g

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塩分濃度は一般的な1.0%という設定で試します。

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塩分濃度の測定値は0.99%と概ね合っています。この食塩水でパスタを茹でていきます。

パスタが茹で上がりました。

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102gのパスタは茹で上がりで253gとなりました。151gのお湯を吸収したことになります。

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残った茹で汁は690mlで塩分濃度は1.05%でした。

690 × 1.05 / 100 = 7.245

食塩を10g入れた茹で汁に残った塩分は7.2gということになります。

つまり、パスタの塩分量は

10 – 7.245 = 2.755

約2.8gということになります。
100gのパスタを1%の食塩水で茹でると2.8gの塩分が加わるということです。

ソース無しのパスタだけで2.8gという塩分量は、1日6gという塩分制限をしている人にとっては警戒すべきレベルです。
パスタの塩分は意外と多いという結果となりました。

お味は?

茹で上がったパスタを試食してみるとちょっとびっくり。塩味がしっかり感じられるほどにしょっぱいのです。
私は今まで塩を入れても指先で一摘み程度しか入れていませんでした。今回の10gという量は正直「こんなに入れるの?」という感想が真っ先に出るほど多いのです。この塩味の利いたパスタならパン同様にそのままでもモソモソ食べ切ることができそうです。
美味しいかと聞かれれば「美味しい」です。市販の辛子明太ソースで食べましたが、ソースとの相性が1段良くなったように感じます。
なるほど、私が「茹で汁に塩を入れても味の変化なんでない」と思い込んでいたのは入れていた塩分が少なすぎたのですね。とてもいい勉強になりました。

ものは試しに茹で汁を味わってみると、これが相当にしょっぱい。塩分制限をしている身としては「うわっ、これはダメだろう」と直感的に拒絶したくなる塩加減です。1%という塩分濃度は味噌汁と同じです。味噌汁でジャガイモを煮ると味が染み込むように、このしょっぱい茹で汁がパスタに染みこんでいったのでしょう。

整理をしてみよう

塩分がどう移動したのか図にして整理をしてみましょう。

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パスタが吸収したお湯の量151mlと塩分量2.8gから計算すると、1.85%という高濃度の塩分のお湯を吸収したことになってしまいます。このことからパスタはスポンジのようにただ単に食塩水を吸っただけではないと言えます。
次に、パスタの重量比の塩分濃度で見てみると1.09%とお湯の1.05%に近い値が出てきます。どうやらパスタも含めて鍋の中の塩分濃度が一定になると考えたほうが良さそうです。

つまり摂取する塩分を概略で計算するにはこうすればよいでしょう。

  • 一人前100gのパスタは茹で上がると250gになる
  • 茹で汁の塩分濃度を計算しておく

これを前提として、

塩分摂取量=250×塩分濃度

となります。

今回の場合は1リットルに塩10gをいれ1%にしましたので

250 × 0.01 = 2.5

簡易計算では2.5g程度の塩分を摂取することになります。
ちょっと少なめになってしまいますが、大雑把な計算としては役に立つでしょう。

まとめ

  • 100gのパスタを塩分1%のお湯で茹でると2.8gの塩分摂取になる
  • きちんと塩分を入れて茹でると塩分摂取量は危険レベル
  • 摂取塩分量を簡単に計算したいときは「250×塩分濃度」

パスタ自体に塩分がないからといって、外食でパスタ料理をセレクトすることが危険な行為になるという結果になってしまいました。ちょっとガッカリです。

パスタはしっかり塩味が付くことでこれほど美味しくなるというのは新しい発見でした。私の作るパスタ料理がいつも美味しくないのはソースではなく塩味が全くないパスタが原因だったのかもしれません。
もし塩分制限をしていない方で、同じように「レシピ通り作っても美味しくない」と感じている人がおりましたら、一度お湯に入れる塩を増やしてみてください。もしかしたら劇的に美味しくなるかもしれませんよ。

まあ、私の場合はそれでも無塩パスタで我慢します。血圧は調子よく下がっていますが、まだ塩分大開放するには至りません。一冬越して自信がついたときに再考しましょう。

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コメント

  1. しお より:

    記事を読み、塩分に関して気になることがありましたのでコメントします。
    パスタが吸い込んだ水分の塩分濃度=茹で汁の塩分濃度とは限らないかと。水素と塩化ナトリウムでは食材への入り易さは異なるはずですし。

    食品成分表から抜粋すると、1.5%の塩水でパスタを茹でた場合、茹で上がりパスタ100g中の食塩相当量は 0.4gだそうです。茹で上がりですので、食べる時はもう少し多い量になると思いますが、200gでも0.8g。もし塩水濃度を倍の3%に上げても1.6gです。(単純計算ですので、茹で時間、温度、釜の大きさなどによっても左右されます) きちんと塩茹ですればソースの塩分はかなり抑えられる(ほとんどなくても大丈夫な)はずですから、塩茹で=悪者のような構図はあまり良いとは思えません。

    塩分を気にしている方にはデリケートな問題ですので、記事を書かれるなら自己実験ではなくきちんと調査をされてはいかがでしょうか。

    • ameo より:

      しおさん、コメントありがとうございます!
      管理人のameoです。

      確かに麺が茹で汁の塩分濃度と同じになるとはなかなか考えにくいですよね。しかし今回の条件で行った実験では塩分がどこかに消えないかぎりそうとしか言えない結果になってしまったということです。

      また、食品成分表では茹で上がりのパスタ100gの塩分は0.4gとのことですが、文部科学省の食品データベース「http://fooddb.mext.go.jp/」を見てみると

      [01064] 穀類/こむぎ/[マカロニ・スパゲッティ類]/マカロニ・スパゲッティ/ゆで

      は、茹で上がり100gで塩分相当量は1.2gとなっています。このデータでは茹で上がりの重量比が220%、つまり100gの乾麺を茹で上げると220gになっているようですね。
      このデータを使っても乾麺100gの茹で上がり時の塩分相当量は1.2×2.2=2.64gとなってしまいます。

      この記事は特定の条件でサンプルも1つという狭い範囲の実験ではありますが、食塩相当量2.8gという結果は的外れではないと考えています。

      大変申し訳ないのですが、ご指摘頂いた食塩相当量0.4gというデータを食品標準成分表から見つけ出すことができませんでした。差し支えなければ出典をお教え願います。
      よろしくお願いします。

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