経口補水液「OS-1」はスポーツドリンクになり得るか試してみた

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先日参加したマラソンで経口補水液「OS-1」を頂いたので長距離を走りながら飲んでみました。
発汗量が多いために脱水症になりやすい私の体質であれば、経口補水液はスポーツドリンクの代用になるかもしれないと考えたからです。

OS-1とは?

ポカリスエットでお馴染みの大塚製薬が販売している「脱水症状を改善するための経口補水液」です。

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脱水症状の治療で最も効果があるのは直接血管に水分を補充する点滴です。しかし、点滴には設備や医師の指導が必要です。そこで迅速にそして手軽にできる対処方法として提案されているのが経口補水液による水分とミネラルの補充なのです。同社のポカリスエットが「飲む点滴」というコンセプトで開発されていますので、その思想を医療寄りに振った商品ということでしょう。

通常水分は大腸で吸収されますが、まずそこに到達するまでに時間がかかります。さらに下痢が起因の脱水症であれば水分を吸収することも困難です。ところがナトリウムと糖があると水分は大腸の前の小腸でも吸収されることがわかってきました。つまり水分の吸収性を高めることができるのです。

そしてナトリウムが不足すると体はナトリウム濃度を一定に保とうとして水分を尿として排出し始めます。それはたとえ脱水状態であっても残った水分をどんどん尿として排出してしまうのです。このために一定量のナトリウムも脱水症状の予防や改善に必要です。

これらの効果を活用したものがスポーツドリンクや経口補水液というわけです。
どうやらスポーツドリンクと経口補水液は兄弟関係にあるようです。

しかし、パッケージをよく見てみると、このような内容が記載されています。

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「医師から脱水状態時の食事療法として指示された場合に限りお飲みください」と明記されています。OS-1は手軽に購入できる清涼飲料水という区分で市販されてはいますが、実は病者用食料だったのです。脱水症になった後に適した飲み物であり、脱水症の予防として用意されているものでもないのです。

成分をポカリスエットと比べてみよう

成分 OS-1 ポカリスエット
エネルギー 10kcal 25kcal
タンパク質 0g 0g
脂質 0g 0g
炭水化物 2.5g 6.2g
食塩相当量 0.292g 0.124g
カリウム 78mg 20mg
マグネシウム 2.4mg 0.6mg
リン 6.2mg -
カルシウム - 2mg

※100mlあたり

ポカリスエットはエネルギー、炭水化物(糖)が多い
OS-1は食塩相当量、カリウム、マグネシウムが多い

ここに商品の方向性が見て取れます。
ポカリスエットは運動を継続するためにエネルギーとなる糖が多く、OS-1は嘔吐や下痢の際に多く失われるナトリウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラルが多めに配合されています。OS-1は単にスポーツドリンクの成分を濃くしたものではなかったのです。

OS-1は極めて塩分が多い飲み物です。高血圧対策として減塩をしている立場から見ると、500mlで塩分相当量が1.5gというのはなかなか強烈です。味噌汁1杯や減塩醤油大さじ一杯と同等の塩分をふくんでいるのです。食事療法として1食2gという塩分制限をしている方にはとてもではないが手が出せない、という禁断の飲み物なのです。

しかし、運動をする立場から見ると少し見方が変わります。OS-1は運動による汗の塩分濃度とほぼ同じだったのです。

対象 塩分濃度
ポカリスエット 0.124%
OS-1 0.292%
運動による発汗※ 0.3%

※私がランニングをした際のデータより

発汗量と同じだけのスポーツドリンクを飲んだとしても体内のナトリウムは減っていきます。私が行っているのはこれを活用した「発汗による脱塩を目的とした運動」ですが、フルマラソンなどで限界に近い運動をするのであれば、摂取する塩分は汗同等のほうが安全に思えます。

このように商品の位置づけが違うことも十分に承知しつつ、走りながらOS-1を飲んでみましょう。

実際に走りながら飲んでみた

走った条件はこんな感じ。

テーマ:汗をかく
距離:24km
ペース:6.5分/km
コース:平坦な川沿い
ウェア:上下ウインドブレーカー

前日にお酒を結構な量飲んでしまったため、ゆっくりペースで汗をかくことに重点をおいた練習です。そのため、気温は20℃程度と暖かくなってはいますがウインドブレーカーを着ています。

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味は?

美味いということはありませんがマズイというわけでもない、という微妙なお味。
ポカリスエットと比べると甘みと酸味が少なく若干しょっぱい感じですね。

しばらく上顎に後味が広がって残るのが気になりました。アレは塩分でしょうか。
甘みと酸味が少ないため、ゴクゴクと続けて飲みたくなるものではありません。信号待ちで一口飲んでウエストバッグに仕舞うという飲み方になりました。

結果は?

今回はウインドブレーカーを着ていたこともあり、いつも以上にたっぷり汗をかいています。

対象 水分量/重量
総発汗量 3700ml
走行中に補充した水分 OS-1 500ml
帰宅直後に補充した水分 炭酸水 200ml
運動前後の体重変化 -3.0kg

汗の量的には脱水症になってもおかしくはないのですが、脱力感などの症状はでませんでした。

ただ、それがOS-1の効果と断言できるかは難しいところです。
私は過去に何度となく脱水症になっていますので、その対策として走る前2時間にしっかり水分を摂取するようにしています。それをしておけば脱水症になりにくいということを実体験で学んでいるためです。

大きな誤解

よくよく考えてみると一つ大きな誤解をしていました。
ナトリウム含有量が多いOS-1は過度な利尿による脱水、すなわち低張性脱水(ナトリウム欠乏性脱水)を防ぐ効果はあっても、発汗量を減らす効果はありません。運動の発汗による水分不足、つまり高張性脱水(水分欠乏性脱水)を解消するものではないのです。それには補充した水分の量が重要であり、ナトリウムなどの成分の有無で改善するものではなかったのです。

ただし、ナトリウムの不足は筋肉の痙攣や意識障害なども引き起こします。この症状を起こしやすい方は改善が期待できるかもしれません。

問題は意外なところに

私が問題だと感じたのは意外なところにありました。
それは前述のとおり「ゴクゴク飲みたくはならない」という味です。私のように極端に発汗量が多い人はできるだけ水分を摂取しないといづれ脱水症に陥ります。1時間1.5リットルというペースで飲み続けないと体内の水分量は一定に保てないのです。しかし運動をしながらその量の水分が飲めるかといえば間違いなく無理でしょう。このためできるだけ多くの水分を摂取するように心がけないといけません。つまりゴクゴク飲みたくなるような飲み物が最適なのです。

いつもなら20km程度の距離でスポーツドリンク500mlを2本飲むのですが、今回はOS-1の500ml1本でした。スポーツドリンクであれば「もう一口、あともう一口」と思うのですが、今回はさほど水分を欲しなかったのです。つまりOS-1にしたことで水分摂取量が少なくなるというおかしな状態になっていたのです。

これは水道水でも同じ現象がおきています。水道水をペットボトルに詰めて携帯することもあるのですが、摂取量はスポーツドリンクの半分程度になります。

野球のように1プレーごとに途切れるスポーツや、発汗量が少ない人であれば話は違うのでしょうが、私がマラソンをする際に適したスポーツドリンクには「もっと飲みたくなる味」という条件が必要だったということです。「ポカリスエットは甘すぎる。つい飲み過ぎてしまうのでダメだ」という意見もよく聞かれますが、私としてはそこが大切なポイントだったということです。

結論は?

ということで、私にとっては「OS-1」はスポーツドリンクの代用にはならないという結果となりました。経口補水液とスポーツドリンクはよく似ていますが用途が違うものだったのです。それはメーカーがアピールしていることと全く同じであり、何も苦言を呈するものではないのですが、思っていた以上に扱いの難しい商品だなぁと感じています。

脱水症を防ぐにはスポーツドリンクが適しています。
ただし脱水症を起こしてしまった場合は経口補水液を飲みましょう。

というすみ分けのようですが、では事前に経口補水液を用意しておきますかと言われるとyesとは答えにくいのです。試合であろうと練習であろうと脱水症になった時点で調整ミス、つまりそれは失敗を意味します。それを前提にしたくはないのです。

私の場合、いくら水分を補充してもすぐに尿として出てしまうという低張性脱水(ナトリウム欠乏性脱水)は経験したことがありません。ほどほどに減塩をしてはいますが、発汗量が多いためか起こるのは絶対的な水分が不足する高張性脱水(水分欠乏性脱水)だけのようです。

こうして冷静にまとめてみると、私の場合は運動中の水分摂取は「飲みやすいこと」が必須条件で、ナトリウムの有無はさほど気にしなくてもよいのかもしれませんね。

OS-1のレビューのはずが個人的なオチになってしまいました。
すいません。

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