手首式血圧計の注意点

HEM_6300F

手首式血圧計は小さく持ち運びができ、いつでもどこでも測定できる大変便利なものです。
しかしその反面、「上腕式と測定値がずれる」「バラつく」と言う声も聞こえてきます。

どうやら全ての人にオススメできるものではないようです。
どういうことなのか分かりやすくまとめていきましょう。

まずありがちな誤解を解きましょう

「血圧計が悪い」と思い込んでいる人は一旦その思いをどこかに置いておいてください。
血圧計の精度は上腕式であろうと手首式てあろうと±3mmHg以内です。
測定の条件さえ間違えていなければこの精度で測定できる医療機器として認可されているのです。
測定するたびに20mmHgもズレたり上腕式と全く違う値が出る場合は、血圧計を疑う前に自分の測定方法と体を疑いましょう。

sphygmomanometer_01b

sphygmomanometer_02b

もし安定して測定できたとしても実際は10mmHg程度はバラついてしまいます。
これは上腕式でも同じです。
血圧はリアルタイムで変動しており、さらに測定前の行動や心理状態が大きな影響を与えます。
体温計や体重計のようにキッチリ一定値が出るものではないのです。

手首式の測定値がどうオカシイのかを分類しよう

ネットで調べるとお分かりの通り、「手首式は測定値がオカシイ」と言う人が数多くいます。
では具体的にどのような内容を「オカシイ」と言っているのでしょうか。

これは大きく2つに分けることができます。

  • A:測定値が大きくバラついて安定しない
  • B:測定値の中心がずれる

それぞれに分けて考えていきましょう。

A:手首式で測定値がバラつかないようにするためには

測定値がバラつく人はまず測定方法が安定していないと考えましょう。
私もはじめは測定のたびに20mmHgほどバラついて大変でした。
私の失敗事例から手首式に関わる注意点だけピックアップをしてご説明いたします。

1)カフは手首の関節に乗せないように巻きましょう。

手首の関節に乗ったり乗らなかったりすると測定値がバラつきますので、常に関節の飛び出た骨から指1本分ぐらい離して使うと安定します。

sphygmomanometer_03b

手首式と呼ばれてはいますが、誤解を招くので前腕式と呼んだほうがいいのでは?といつも思います。

2)手は力を抜いていつも同じ形で

手首を逆の手で握りながら開いたり閉じたりすると硬さや太さが変わるのが分かると思います。
すなわち同じ測定箇所でも手の形で測定条件が変わってしまうのです。
このため測定時の手の形も統一しなくてはいけません。

sphygmomanometer_04

私が使っている血圧計では手を軽く開いて力を抜くという指示ですが、手を握ることを推奨しているメーカーもあるようなので注意が必要です。

3)心臓の高さに合せる測定ポーズは統一しよう

血圧計は心臓の高さで測るのが大原則です。
10cm高さがずれると8mmHgも変わってしまいます。
机の上や膝の上に置いて測定している人がいますがそれは大きな間違いです。

sphygmomanometer_05

メーカー推奨の測定ポーズにも「机に肘を載せて手のひらを上に向けるポーズ」と「逆の肩を触れるように胸に当てるポーズ」の2種類があります。
基本的には心臓の高さにすれば同じ血圧になるはずですが、実際は肩の開いた角度でも測定値は微妙に変化してしまいます。
測定は常に同じポーズをとりましょう。

4)連続測定時は一度カフを緩めて

連続して測定するときは必ずカフを緩めて休憩をしましょう。
手首を締めあげられていますので、手がうっ血しています。
よく見ると血管が浮き上がっているのが分かると思います。
手の毛細血管の圧力が高い状態で測定しても正しい結果は得られません。
カフを緩めて手を閉じたり開いたりして血行を良くしてから再測定をしましょう。

sphygmomanometer_06

特に血圧の高い方は高い分だけ血圧計の締め付け力が増えていますので、血行が回復するまで十分な休憩を入れてください。

5)回転方向の位置にも気をつけて

動脈は上腕では1本ですが手首では2本に分かれています。
この2本の動脈をカバーするように血圧計を当てなくてはいけません。
血圧計の裏面が測定センサーですので、この箇所が手首の内側の面全てに当たるように取り付けましょう。

sphygmomanometer_07

まれに90度回転させて測定している人がいますが、測定自体は出来ますが高い値が出てしまいます。
実際に回転方向にずらして測定してみると上の血圧が15mmHgほど高くなりました。

B:測定値の中心が大きくズレる人は

上記の注意を守っても測定値が大きくズレる人は以下の原因が考えられます。

1)手首の構造が手首測定に合っていない

手首は多彩の動きをするために骨と筋が複雑に配置されており、その隙間を縫うように血管が走っています。
もし筋の裏側に血管があり圧力がかかりにくい、もしくは筋越しに圧力がかかりやすいなどがあった場合は測定値が一方方向に大きくズレる可能性があります。
血圧計は標準的な手首に合わせて作られていますので、このように標準的ではない手首の場合は正確には測定できないでしょう。

2)動脈硬化が進んでいる

年齢とともに動脈硬化は進行するものですが、もし動脈硬化が進んでいると血流抵抗が増えて心臓から離れるにしたがって圧力が低くなってしまいます。

sphygmomanometer_08-01

通常は上腕と手首で圧力が変わるほど血管の太さは変わらないと言われていますが、動脈硬化が進むと話は別です。
細くなった箇所では圧力が上がり、そこを抜けるともとの圧力より低くなるのです。
このようにして動脈硬化が進行していると測定値が一方方向にズレるのです。

どうしても測定値の中心がズレてしまう人は

測定方法に十分注意しても測定値の中心がずれる人は、残念ながら手首式血圧計は体質的に合わないと言えます。
このような方には上腕式血圧計をおすすめします。

HEM_7510C

それでも手首式が使いたい人は

手首式でズレてはいても血圧の変動は基本的に上腕式とリニアに変化します。
測定値の中心値がずれているだけでバラつき量は変化ないということです。
すなわち上腕式と測定値を比較して補正をすれば手首式の恩恵を受けることが出来ます。

0262_02-3044-00_002.indd

病院や市役所などのロビーには据置型の全自動上腕式血圧計が設置されていると思います。
この血圧計と手首式血圧計を交互に測定し、ズレている値を控えて補正値に加えることで正しい値とするということです。

手首式しか持っていない人は

手首式しか持っていない方も自分の測定値が合っているのか必ず確認をしてください。

HEM_6300F

ご説明してきたように正しいと信じていた測定値が間違えている可能性もあるのです。
高い方向に振れているなら過度な節制が無駄になりますし、低い方向に振れているなら高血圧から脳卒中や心筋梗塞など次のステップに進む危険な状態に気づけません。

必ず確認をしましょう。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です