高血圧患者にとっての適切なお酒の量とは

ようやく飲酒の許可が下りましたので早速酒を…と思いましたが、「適量ならOK」の「適量」って具体的にはどのくらいなのでしょうか?
決めずに飲み始めると飲んだくれてしまいそうなので、一度きれいにまとめておきましょう。

酒は百薬の長

昔からお酒は百薬の長と言われています。
実際にも全く飲まないよりは適量飲む人のほうが死亡率が低くなるという研究結果も発表されています。
しかし飲み過ぎると高血圧だけでなく肝臓病などいろいろな疾患を招く諸刃の剣でもあります。

この現象を「Jカーブ効果」といいます。

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「適量」とはJカーブ効果の最も死亡率の低いポイントになる飲酒量ということです。

高血圧に関してですと、お酒のアルコールが善玉コレステロールを増やすことで動脈硬化を防ぐ効果があると言われています。

では適量とは具体的にどれくらいなのでしょうか。
分かりやすくまとめてみましょう。

日本高血圧学会の指針

日本高血圧学会のガイドラインでは純アルコール(エタノール)の量で

  • 男性は20~30ml
  • 女性は10~20ml

にすべきとの指針が示されています。

アルコールは何種類もありますが、酒のアルコールといえばエタノール(エチルアルコール)のことを指します。

どんなお酒もアルコールとそれ以外の液体という構成になると言えます。
問題となるのは純アルコールをどれだけ摂取したかであり、お酒を何リットル飲んだかではないのです。
つまり度数の高いお酒なら少なくなり、度数の低いお酒ならたくさん飲めるというわけです。

具体的にお酒に換算してみると

では男性の場合を例に考えてみましょう。
男性の適切な純アルコール量を指針の20~30mlの間をとって25mlとします。
純アルコールを25ml摂取するまで飲めるということです。

では同じ純アルコール量25mlを含むお酒の量を一覧にしてみましょう。

●男性の場合

お酒の種類 度数 適量
ビール 5% 500ml
缶酎ハイ 5% 500ml
缶酎ハイ 7% 350ml
ワイン 14% 180ml
日本酒 15% 180ml(1合)
焼酎 20% 125ml
焼酎 25% 100ml(ロック1杯)
ウイスキー 40% 62.5ml(ダブル)

意外と少なくてガッカリですね。
本当にどのお酒も「一杯だけ」しか飲めないようです。
困りました。

一人ならまだしも飲み会では間が持ちません。
そんな時は度数を低くした酎ハイがオススメです。
最近はアルコール度1%の缶チューハイも発売されています。

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たくさんの量を飲みたいときは1杯のアルコールを少なくして我慢しましょう。
(※降圧剤によってはグレープフルーツとの組み合わせは禁忌ですので注意してください。)

●男性の場合

お酒の種類 度数 適量
酎ハイ 2.5% 1000ml
酎ハイ 1% 2500ml
缶酎ハイ 1% 350ml×7本

1%の缶酎ハイならば7本も飲めてしまいます。
誰が買うんだろうと思っていた1%の缶酎ハイにはこんな需要があったんですね。
いやはや。

女性の場合

女性の場合の適切な純アルコール量で10~20mlとされており、この場合も間をとって15mlとします。

するとこう変わります。

●女性の場合

お酒の種類 度数 適量
ビール 5% 350ml
缶酎ハイ 5% 350ml
缶酎ハイ 7% 200ml(350ml缶の6割)
ワイン 14% 110ml
日本酒 15% 100ml
焼酎 20% 75ml
焼酎 25% 60ml(少なめのロック1杯)
ウイスキー 40% 37.5ml(シングル+α)
酎ハイ 2.5% 600ml
酎ハイ 1% 1500ml
缶酎ハイ 1% 350ml×4本

男性の6割程度となりました。
こちらも寂しい限りです。
やはり頼れるのは度数の低い酎ハイでしょうか。

ただしお酒の強さは個人差が大きい

指針では性別で分けてはいますが、実際のお酒の強さは性別差ではなく個人差です。
もしお酒に弱い下戸な人であれば統計的な平均の「適量」はその人にとって適量ではないかもしれません。
しかし強いからといって「適量」が何倍にも増えることはないでしょう。

上記指針を参考にして血圧や医師と相談しつつ落とし所を決めてください。

私自身は遺伝的にお酒に強い体質ですが、まずは指針通りの「適量」で様子を見てみるつもりです。

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